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月別アーカイブ: 2025年4月

第12回食品加工雑学講座

皆さんこんにちは!

合同会社Alba、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~秀でた技術~

ということで、今回は、世界が認めた日本の食品加工技術の強みを、分野別に深掘りしてご紹介♪

 

現在、日本の食品加工業は世界中から技術力の高さと品質へのこだわりで注目されています。

「日本の冷凍食品は、なぜここまで美味しいのか?」
「添加物を極力使わずに、ここまで再現性を高められる理由は?」
「工場で作られたとは思えない“手作り感”」

こうした声は、今やアジアのみならず、欧米や中東でも広がりを見せています。


“日本の食”が世界に選ばれる時代へ


✅ 日本の食品加工品、どこで人気?

  • 冷凍寿司、冷凍ラーメン、和惣菜、うどん・そば、調味料類(味噌・醤油)など

  • シンガポール・香港・台湾・ベトナム・アメリカ・フランス・ドバイなどでも展開中

  • 「味+安全性+パッケージデザイン」が総合評価されている

📦 特に冷凍食品やレトルト食品は、現地製造では再現が難しい“本物の味”を届けられるとして支持されています。


世界から注目される、日本の食品加工技術5選


✅ 1. 超高精度な“味の再現技術”

  • 味のばらつきを極限までなくす自動計量・配合システム

  • 微細な火加減・加熱時間を管理するコンベアオーブン・IH加熱制御

  • 五味(甘味・酸味・塩味・苦味・旨味)のバランスを数値化し、安定供給

👨‍🔬 冷凍おにぎりの塩加減やレトルトカレーのスパイス感まで、ほぼ誤差ゼロの設計が可能です。


✅ 2. 世界最先端の冷凍・解凍技術

  • ブラストチラー、液体凍結、真空凍結などの超高速冷却技術

  • 細胞破壊を抑えることで、解凍してもドリップ(旨味成分)の流出が少ない

  • 極端な低温(−60℃以下)で素材の風味や色味を保持

❄️ 特に「冷凍寿司」や「冷凍天ぷら」などは、解凍後に出来立てのような品質を実現して世界を驚かせています。


✅ 3. HACCP+αの徹底した衛生・品質管理体制

  • 国際規格HACCPに加え、日本独自の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)文化の徹底

  • 作業者の動線、服装、温度、微生物検査に至るまで秒単位・mm単位の管理

  • アレルゲン・異物混入対策において世界基準を超える工場も多数

🧪 海外のバイヤーからは「日本の工場=信頼の象徴」と見られることも。


✅ 4. 調理の“手作り感”を再現する加工機械技術

  • しっとり感や焦げ目の再現に特化した赤外線焼成機・バーナー式トンネルオーブン

  • 和え物や煮物の人の“かき混ぜ感覚”を再現するミキサー

  • 揚げ衣がサクサクに仕上がるエアフライ方式

🛠️ 「まるで手作りみたい」という印象を、機械の力で実現する日本の技術が世界で評価されています。


✅ 5. 発酵・熟成・酵母技術の伝承と革新

  • 味噌・醤油・納豆・漬物・日本酒など、日本独自の発酵技術が世界でも注目

  • 発酵に適した温度・湿度・菌種の微生物制御技術は他国に真似できないレベル

  • AIとIoTを活用し、職人技を数値化・デジタル化する動きも加速中

🍶 「発酵=和食文化の根幹」。そして、その再現性と工業化が、世界で求められています。


他国が真似できない、日本ならではの“細やかさ”


🧂 味の「微差」に対するこだわり

  • 例えば「塩0.2gの違い」にも味覚として敏感

  • 「食感」「風味」「温度」「見た目」すべてをトータルで考える製品設計

  • 出汁・旨味のバランスを“一汁三菜”文化の中で磨いてきた民族的センス


🏭 工場全体に“もてなしの精神”が宿る

  • 製品だけでなく「梱包の丁寧さ・納品時の清潔さ・時間厳守」まで徹底

  • 工場見学や輸出先の立会い時にも、礼儀や衛生意識が世界に好印象

💡 食品そのもの+日本人の「まじめさ」が、海外のパートナーから絶賛されています。


日本の食品加工技術は、文化と科学の結晶


日本の食品加工業が世界から注目されている理由は、単なる技術の高さだけではありません。

それは、

✅ 科学的な根拠に基づいた安全設計
✅ 味や香り、食感までを計算しつくした調理技術
✅ 手間を惜しまない姿勢と「おもてなし」の心

つまり、「文化」と「科学」が融合した“食の芸術”なのです。

🌏 これからも日本の食品加工技術は、世界の食卓に感動を届ける力を持っています。

 

 

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第11回食品加工雑学講座

皆さんこんにちは!

合同会社Alba、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~加工まで~

ということで、今回は、食品加工業における加工前までの工程=原材料が製品に生まれ変わる“入口の設計図”ともいえる流れを、専門的な観点から深くご紹介♪

 

スーパーやコンビニに並ぶ食品たちは、一見するとシンプルに見えますが、その裏には膨大な工程と衛生・品質管理の積み重ねがあります。

とくに「食品加工業」では、原材料の状態から製品化までの“見えない努力”が詰まっています。


食品加工業とは?定義と目的


食品加工業とは、農産物・畜産物・水産物などの生鮮食品を原材料として、加熱・冷却・発酵・調味・包装などの工程を通じて、消費者が食べやすくした製品を製造する業種のことです。

主な目的

  • ✅ 保存性の向上(腐敗防止)

  • ✅ 安定供給(季節に関係なく流通可能)

  • ✅ 衛生的かつ安全な食品提供

  • ✅ 手軽さ・時短・美味しさの追求

🍱 惣菜・冷凍食品・缶詰・レトルト・冷凍野菜・ハム・パン・スイーツなど、あらゆるジャンルが対象となります。


食品加工までの基本的な流れ


以下は、一般的な加工食品(例:冷凍ハンバーグ、惣菜類など)を製造する際の工程フローです。

① 原材料の受け入れ(仕入れ)

  • 生肉、野菜、魚介類、調味料、添加物などを仕入先から受け入れ

  • 納品時に納品書・産地証明・衛生検査証などを確認

  • 温度チェック、異物混入の有無、重量確認、外観確認を実施

📋 ここで不備がある場合は、その後の工程すべてが無駄になるため、最初のチェックが極めて重要です。


② 一次加工(下処理)

  • 野菜の皮むき、カット、肉のスライスや筋取り、魚のウロコ取りなど

  • 必要に応じて洗浄・塩もみ・漬け込み・解凍・異物除去などの処理を行う

  • 食材の種類や製品によって、洗浄時間やカットサイズが厳密に規定されています

🔪 この段階で歩留まり(使用率)や歩留まり率の計算も行います。


③ 二次加工(加熱・調味などの主工程)

  • 焼く、煮る、揚げる、蒸すなどの加熱処理

  • 必要に応じて味付け、ミキシング、成型、発酵、熟成などを行う

  • 中心温度、加熱時間、PH値、粘度などのパラメータを厳密に管理

🔥 この工程ではHACCPに基づく危害要因分析がもっとも重要視されます。


④ 冷却・急速冷凍(必要な場合)

  • 微生物繁殖を防ぐため、加熱後すぐに冷却(急冷)

  • 冷却時間や最終温度を記録(例:中心温度が10℃以下になるまで30分以内)

  • 冷凍製品の場合はマイナス30℃以下で急速冷凍

🌡️ 中途半端な冷却は、リステリア菌や黄色ブドウ球菌のリスク増加となるため、要注意。


⑤ 計量・充填・包装(最終工程)

  • 正確な内容量計量と自動充填(ミリ単位で調整)

  • 真空包装、トレー包装、フィルムパックなど製品に合わせて選定

  • 日付印字(賞味期限・ロット番号)・金属探知・X線検査を実施

📦 ここまで来て初めて「製品」として出荷できる状態になります。


加工前工程における“5つの重要ポイント”


✅ 1. 原材料のトレーサビリティ(追跡性)

  • どの産地から、いつ、どの業者が納品したかを記録

  • ロット番号で異物混入やアレルゲン表示の誤りを特定できる体制が必要

🧾 消費者トラブル時の“責任の所在”を明確にする意味でも不可欠です。


✅ 2. 衛生ゾーニングと人の動線管理

  • 作業場は「清潔区域/準清潔区域/汚染区域」に分けて交差汚染を防止

  • 作業員の入室前の手洗い・消毒・着替え・エアシャワーの徹底

  • 設備や床も定期清掃とモップの区分管理が必要

👣 人が動く=菌も動くという意識が基本です。


✅ 3. 温度・湿度・時間の管理

  • 加熱・冷却だけでなく、「搬送中」や「保管中」の温度も重要

  • 食材によっては一定の湿度管理(例:チーズ・ハム)が必須

  • 加工時間が長くなると品質低下や腐敗の原因にもなる

📊 HACCPでは「重要管理点(CCP)」として、これらをリアルタイムでモニタリングする体制が求められます。


✅ 4. アレルゲン・異物混入の防止

  • アレルゲン食材の「専用ライン」または「時間分け製造」

  • 工程間での器具・手袋・服の洗浄・交換ルールの徹底

  • 金属片・プラスチック片などの物理的異物にも要注意

⚠️ アレルギー事故は命に関わるため、全社的な感度の高さが求められます。


✅ 5. 従業員教育とマニュアル遵守

  • 手洗い、衛生管理、機械操作、トラブル対応などの定期研修の実施

  • 作業手順の“見える化”=掲示物、写真付きマニュアル、動画化

  • 異常を発見した際の「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の徹底

👨‍🏫 食の安全は、「現場の一人ひとりの意識」が守っているといっても過言ではありません。


食品加工は“科学と信頼”の積み重ね


私たちが普段手にする食品は、
その裏で何十もの工程を経て、安全・清潔・美味しさを保った状態で製品化されています。

食品加工業において重要なのは、
✅ 原材料の段階からリスクを管理し、
✅ 加工工程での精度と再現性を追求し、
✅ 最後まで“人”が目と手を使って確認すること。

つまり食品加工業とは、科学的な管理と人の信頼が融合する現場なのです。

 

 

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